第3回 お店の来店動機に繋げる「物語を匂わせる」とは? ~スイーツ・ベーカリー店舗の繁盛店づくりのポイント~
子供の頃、お母さんから夜寝る前に絵本を読み聞かせしてもらった経験を多くの大人たちが
持っていると思います。
・・・お母さんのぬくもり、やさしい声、トン、トン・・・と布団をやさしく叩かれながら、頭の中で
絵本の物語を思い浮かべているうちに、自然とぐっすり眠りについてしまったものですよね。
実はこれ、子供にとって至福の時間であり、母親の“ぬくもりとやすらぎ”を感じる事はもちろん、
記憶力と想像力も育んでもいると思っています。
来店動機に繋げる”物語を匂わせる”
今、記憶をたどってその時読んでもらった絵本を思い出すことは難しいかも知れませんが、きっと私
たちの体の中には記憶されていると思います。また、それは、ふとした瞬間によみがえる事があります。
例えば、春桜の満開をみていると・・・・“はなさか爺さん”が、かすかに頭をよぎったことは無いで
しょうか?
また、神社でお守りやお札を頂くと、“3枚のお札”が頭をかすかによぎったことは無いでしょうか?
また、積み木を見ると、“ピノキオ”が、かすかに頭をよぎったことは無いでしょうか?
この“頭をかすかによぎる”ことこそ、私が考える“物語が匂っている”ということです。
前記の例でなくても、子供の頃のさまざまな幸福感は、私たちの体の中に記憶されています。
それが、ふとした瞬間に頭をかすめることは、体の中でほんの少しですが、エネルギーが湧いて消えた瞬間です、これが、何か行動を起こす動機の元と私は考えています。
もう一つ、テレビやネットで、夏、フワフワでおいしそうなシロップが掛けられたかき氷の画像が出てきます、すると、「食べたい!」と感じ、次に「どこで食べようか?」と探し、行動へと移ります。
この間、あの頃食べたあの冷たさ、しゃきしゃきした食感、頭にツーンとくるあの感じ、イチゴやメロンシロップの濃い甘さ感、等、次々と走馬灯のように頭をよぎるものですね。
頭の中で走馬灯が廻り始めると、動機がどんどん強くなってより行動力が出てきます。
この原理を利用して、お店の来店動機につなげることこそが、“物語を匂わせる”ということです。
別な言い方をすると、人々の体の中に入っている記憶や想像力に火を付けてあげると、あとは、勝手にどんどんと関心・興味へつながり、行動意欲へと階段を駆け上っていきます。
問題は、その物語をどうするか?ですよね。
次回は、物語をつくる です。